不貞・浮気

不貞行為・浮気は、代表的な離婚原因の一つです。ひびき法律事務所においてもしばしば相談を受ける対象のひとつとなっています。

ひびき法律事務所(北九州)について

ひびき法律事務所は、昭和63年に北九州市小倉北区に開設された事務所です。

所属 福岡県弁護士会北九州部会
住所 北九州市小倉北区田町14番28号ロイヤービル6F
電話 093-581-2022

30年以上にわたる実績

ひびき法律事務所は、事務所開設以来、離婚問題を弁護士が支援すべく中核的な業務の一つに位置付け、その解決に尽力してきた事務所です。

弊所の弁護士は、不貞行為・浮気の問題も、離婚トラブルの典型例として、離婚を請求する側/請求される側、慰謝料を請求する側/請求される側、各立場の依頼者の代理人を数多く務めてまいりました。

30年以上にわたって離婚問題に取り組んできた実績により裏打ちされたノウハウ・知見は、ひびき法律事務所の弁護士に共有され、依頼者をサポートする強力なツールとなっています。

北九州地域において、不貞・浮気のトラブルをめぐるご相談・ご依頼はひびき法律事務所にお任せ下さい。

所属弁護士

  1. 山上 知裕
    出身 北九州市若松区出身   昭和57年登録 (登録番号18139)
  2. 油布 剛
    出身 大分県 平成19年登録 (登録番号35800)
  3. 河合 洋行
    出身 北九州市小倉北区 平成23年登録 (登録番号44360)
  4. 仲地 あや子
    出身 沖縄県那覇市出身 令和元年登録 (登録番号58567)
  5. 山本 耕作
    出身 大分県延岡市出身 令和4年登録 (登録番号 61818)

不貞行為とは

民法770条1項1号は、離婚の原因の一つとして、「配偶者に不貞な行為があったこと」を挙げています。

いわゆる「不貞行為」と呼ばれるものです。

【参照:民法770条】
<第1項>
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
① 配偶者に不貞な行為があったとき
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
③ 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
<第2項>
裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

性的関係を伴う浮気・不倫を指す

この不貞行為とは、婚姻中の夫婦相互に課される貞操義務に違反する行為です。

判例の表現を借りれば、不貞行為とは、「配偶者ある者」が、「自由な意思にもとづいて」、「配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」を指します。

より端的に言えば、肉体関係、性的関係を伴う浮気・不倫です。

性的関係とは

一般的に「浮気」という言葉は多義的かつ広範な意味を有します。

一方で、不貞行為と言えるためには、肉体関係、すなわち性的関係を伴う浮気であるといることが必要です。

たとえば、配偶者でない異性と頻繁に電話やメールをしていただけでは、不貞行為には該当しません。配偶者が過去の交際相手とLINEで連絡をしている、というだけでも不十分です。

さらに言えば、配偶者が他の異性と親密になりデートしている等の事実があったとしても、その事実だけに留まれば、不貞行為は認められません。

不貞行為と言えるためには、あくまで、配偶者が「自由な意思にもとづいて」、「配偶者以外の者と性的関係を結んだ」といえることが必要になります(※)。

※ 法律の概念は、時代によって変わりえます。不貞行為の概念も、現状、大きく揺らぎつつあります。

離婚成立条件

不貞行為は、離婚訴訟における離婚成立原因の一つです。

原則として離婚成立

訴訟において、不貞行為をされた一方の配偶者が、もう一方の配偶者に離婚請求を行い、当該離婚訴訟において、婚姻関係が破綻していると認定される場合、原則として離婚が成立します。

不貞行為を行った配偶者が離婚する意思を有していなくても、裁判所は離婚を成立させる判決をすることができるのです。

なお、離婚に際して、非違行為により離婚原因を作出した者を「有責配偶者」と言います。

当該不貞行為を行った者は、それが原因で夫婦関係が破綻した場合、有責配偶者の典型例に位置付けられます。

例外としての裁量棄却

ただ、法律の規定上、不貞行為の認定があったとしても、例外的に、離婚成立にいたらない場合が存在します。

上記民法770条第2項の規定を再度確認頂きたいのですが、同項は、不貞行為が有った場合でも、裁判所が、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるとき、離婚の請求を棄却することができると定めています。

これは裁量棄却と呼ばれる仕組みで、実際上、あまり適用されることはありませんが、離婚請求に際しては、この裁量棄却についても留意しておく必要があります。

<協議離婚・調停離婚では>
なお、不貞行為を行った配偶者の意思に反してでも離婚を成立させられるとの上記の説明は、離婚訴訟を前提とする裁判離婚に関する説明です。協議離婚や離婚調停は、夫婦の合意による離婚を前提としていますので、仮に不貞行為があったとしても、離婚を成立させるためには、離婚することに夫婦の合意が得られることが必要です。

 

原則として慰謝料発生原因となる

また、不貞行為は、慰謝料の発生原因にもなります。

浮気された者は慰謝料を請求できる

たとえば、夫Aと妻Bが共同生活を営んでいたところ、AがCと浮気をしたというケースで説明します。

配偶者にも浮気相手にも請求が可能

この場合、Bは、Aに対して、貞操義務に違反したことを理由に、慰謝料を請求することが可能です。

また、Bは、Cに対しても、貞操権を侵害されたことを理由に、慰謝料を請求することができます。

端的に言えば、浮気をされた者は、その配偶者と浮気相手に、精神的苦痛を慰藉するための損害賠償請求をすることが可能、ということになります。

ただし、二重に請求できるわけではない。

上記ケースにおいて、仮にBに認められる慰謝料が100万円であるとした場合、Bは、AとCいずれに対しても100万円を請求することができます。

もっとも、これは、Bが、AとCに二重に請求ができる、ということを意味しません。AとCは、二人合わせて100万円をBに支払う義務を負うにすぎません(不真正連帯債務を負うに過ぎない。)

たとえば、Bは、Aから50万円を受け取った場合、Cに対しては、残50万円を請求できるのみです。

また、Aから100万円を受け取った場合、Bはこれ以上、Cに対して請求することはできません。

不貞行為に関する慰謝料の金額

不貞行為に関する慰謝料の金額は、ケースバイケースです。

一般的には、次のように説明されることが多いですが、結局は、その下限近くなのか、上限に近いのか、あるいは目安の範囲外の金額が妥当なのか、を個別個別に判断していくほかありません。

  1. 不貞行為が原因で離婚・夫婦関係が破綻した場合
    100万円~300万円程度
  2. 不貞行為があったものの、夫婦関係は破綻しなかった場合
    50万円~100万円程度

この判断に際しては、不貞行為があった当時の夫婦間の関係性、浮気の頻度・期間、態様などが考慮要素となります

たとえば、一回きりの浮気の場合と、複数回にわたる浮気の場合、後者の方が慰謝料額は高額となりがちです。

他方で、浮気が、「風俗」の利用によるものなのか否か、不特定・複数の者を相手にしたものなのか否かによっても、その金額は変わりえます。

実際のケースで、実際にどの程度の金額になりそうなのか、との点は、結局、事情をつぶさに検討して判断するほかありません。

参照:不貞の慰謝料請求とその相場・金額について

参照:慰謝料額に影響:不貞・浮気の期間・回数及びその証拠について

例外的に慰謝料請求が否定される場合

上記のとおり、不貞行為は慰謝料の発生原因となりますが、例外的に、慰謝料請求ができないケースもあります。

配偶者・浮気相手共通(破綻の抗弁)

配偶者と浮気相手に共通する主張として、「浮気が行われた時点で、すでに夫婦生活が破綻していた」との主張がなされることがあります。

この主張のことを「破綻の抗弁」といいます。

たとえば、夫婦仲悪化を理由に、20年以上、何らの連絡もなく別居をしていた夫婦の一方が第三者と肉体関係を持つにいたったとしても、すでに長期にわたる別居生活により夫婦関係が破綻していたとの評価により、およそ慰謝料請求は否定されます。

もはや浮気が原因で夫婦関係が破綻したとは言い得ず、また、貞操義務も消失していると解されるからです。

この場合においては、浮気をした本人も、浮気相手も損害賠償義務を負いません(語弊を恐れずに言えば、そもそも、「浮気」との評価が該当しなくなるとの表現がニュアンスとして近いかもしれません。)。

この破綻の抗弁は、離婚裁判・慰謝料請求をめぐる裁判でしばしば争点となる主張の一つです。

浮気相手の認識

また、浮気相手との関係においては、さらに、例外的に慰謝料請求が否定されるケースが観念されます。

それは、浮気相手が、①既婚者であることを知り得なかった場合、②既婚者であったことを知りながらも既に夫婦関係は破綻していると信じたことに無理からぬ事情がある場合(注意義務違反がない場合)です。

②は相当程度、観念的ですが、裁判では散見される主張です。

時効が成立している場合

また、不貞行為の慰謝料請求については期限(時効)があります。この時効が成立している場合、相手が時効の完成を主張する限り、慰謝料請求はできなくなっていまいます。

参照:不貞行為に関する慰謝料請求の時効とその起算点

立証上の問題

不貞行為を原因に離婚や慰謝料請求が裁判となる場合に、最も重要な事柄となるのが、不貞行為の証拠・立証に関する問題です。

証明責任

離婚訴訟や慰謝料請求において、不貞行為があったと主張する側が、その事実を立証・証明をしなければなりません。

もちろん、浮気を行った配偶者がその事実を認めていれば、裁判所も自白事実としてこれを認定しますが、認めていない限りは、不貞行為が有ったと主張する側がその証拠を準備しなければならないということになります。

※なお、上記のような「破綻の抗弁」など、請求を拒絶するための主張については、請求を拒絶する主張をした者がその証拠を準備する必要があります。

不貞の証拠・証拠評価等

通常、浮気は秘密裏に行われるため、その不貞行為があったことを証する証明は、通常、一朝一夕ではありません。

浮気を直接証明する証拠を押さえることは現実的には困難ですので、不貞行為があったと主張する側は、裁判所に浮気の事実を確信させるだけの周辺事情を立証していくことになります。

反対に、不貞行為の成立を否定する側は、これらの証拠の評価等につき、反論・反駁していくことになります。

証拠の例

浮気の証拠の典型例としては、探偵・興信所の報告書があります(参照:不貞・浮気を調査するための探偵・調査費用を請求できるか。原則論的には否定。

それ以外に、実際の裁判等で提出されることの多いものとしては次のような証拠です。

  • 不貞行為を行った配偶者の手帳(宿泊などを伺わせる事実が書かれている場合等)
  • 配偶者と相手方とのメール、LINE
  • 配偶者が所持していたラブホテルなどの領収書
  • 配偶者の車両が浮気相手の自宅駐車場に駐車していたことを証する写真
  • 異性との関係性を伺わせる物品類の写真

裁判所は経験則に基づく総合判断を行う

一つ一つの証拠の質や程度にもよりますが、不貞行為の有無が裁判で争われる場合、裁判所は、これらの証拠から認められる事実を総合的に勘案して、当該事実の有無を判断しています。

証拠からうかがわれる周辺事実を一つ一つ紡いで、不貞行為があったか否かを総合的に判断しているのです。

したがって、当事者から依頼を受けた弁護士は、裁判官に証拠を的確に評価してもらえるよう、証拠の位置づけ・関連性などを解きほぐして主張をしていくことになります。

参照:不貞・浮気の証明

参照:不貞・浮気の証拠~家・マンションへの出入りの写真~

参照:不貞・浮気|LINE(ライン)トーク履歴の証拠化(写真・スクショ・動画撮影)

ひびき法律事務所(北九州)の弁護士にご相談を

不貞行為の事実が認められるか否かを判断するためには、証拠の評価や、経験則等に関する知見、各裁判例の分析など、専門的な知識・ノウハウが必要です。

どういった証拠を出すべきか、その証拠にどのような評価を与えるべきか、返って不利な心証を裁判官に与えかねないか、といった判断が訴訟の帰趨に直結することもあります。

また、慰謝料の金額の多寡をめぐっても、しばしば紛争が激化します。その判断に際しては、主張事実及びこれを支える証拠の評価の検討が欠かせません。

北九州地域における不貞行為に関するトラブルは、ひびき法律事務所(北九州)の弁護士にぜひご相談ください。

弁護士費用の目安

弁護士費用の目安は次の通りです。不貞行為が問題となる場合、離婚そのものに関する費用とは別に、慰謝料請求に関する弁護士費用が必要となります。

離婚について

【離婚協議・離婚調停の場合】

着手金それぞれ20 万円から30 万円程度
報酬それぞれ20 万円から30 万円程度
備考※1 但し、離婚交渉から受任していた後、さらに離婚調停を受任するときは,上記の額の2分の1のみ追加着手金とする。
※2 財産分与,慰謝料等の請求は,上記とは別に民事事件の例による。

【離婚訴訟の場合】

着手金20 万円~30 万円程度
報酬20 万円から30 万円程度
備考※1 但し,離婚調停から受任しており、継続して離婚訴訟を受任するときは、上記額の2分の1のみ追加着手金とする。
※2 また、財産分与,慰謝料等の請求は,上記とは別に民事事件の例による。

慰謝料請求について(民事訴訟の例)

不貞行為の慰謝料部分に関する弁護士費用の金額は、民事事件の例によります。具体的には次の通りとなります。

訴訟手続経済的利益の額着手金報酬
300 万円以下の場合8%16%
300 万円を超え3000 万円以下5%+9 万円10%+18 万円
3000 万円を超え3 億円以下3%+69 万円6%+138 万円
※但し、最低着手金の金額は10万円
※離婚協議・調停の段階から慰謝料請求を受任しており、継続して離婚訴訟を受任するときは、上記額の2分の1のみ追加着手金とする
調停・審判経済的利益の額着手金報酬
上記訴訟事件等に記載の額に準ずる。ただし,その額を3分の2に減額することができる。
※ただし、最低着手金の金額は10万円

弁護士費用の算定例

便宜のため、弁護士費用の算定例を説明します。ご参考いただけますと幸いです。

ケース1 請求する側(離婚+慰謝料請求(調停)

たとえば、不貞行為の慰謝料請求(150万円)を含む離婚調停事件を受任し、離婚成立、慰謝料として120万円を受領した場合(外税)

  • 離婚調停費用
    着手金20万円・報酬20万円
  • 慰謝料請求
    着手金10万円(最低着手金)・報酬12万8000円(120万円×0.16×2÷3)

ケース2 請求をされた側(慰謝料請求(訴訟))

不貞行為の慰謝料請求(訴訟)をされた側の依頼を受け、相手方からの請求200万円を80万円まで減額した場合(外税)

  • 慰謝料請求
    着手金16万円・報酬19万2000円((200万円-80万円)×0.16)
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