養育費について

離婚時における子どもを巡る問題の一つに「養育費」の問題があります。離婚に関し、弁護士がよく相談を受ける問題の一つです。

養育費は、その名のとおり、子どもを養育していくための費用のことをいいます。子を監護していく親(通常は親権者)に対して、非監護親が支払うべき費用です。

養育費は、監護親が、子どものために非監護親から受け取ることができる金銭であり、非監護親の立場からすれば、子どものために監護親に支払うべき金銭と言えます。

ひびき法律事務所は、この養育費に関する請求権を未成年者の福祉を実現するための重要な費用と位置付けています。

ひびき法律事務所(北九州)について

ひびき法律事務所は、昭和63年に北九州市小倉北区に開設された事務所です。

所属 福岡県弁護士会北九州部会
住所 北九州市小倉北区田町14番28号ロイヤービル6F
電話 093-581-2022

離婚・養育費問題に関するひびき法律事務所の取り組み

ひびき法律事務所は、事務所開設以来、離婚問題を弁護士が支援すべく中核的な業務の一つに位置付け、その解決に尽力してきた事務所です。

特に、養育費請求については、未成年者の福祉のために最大限実現されなけばならない事柄と位置付けています。

その活動に対し、ひびき法律事務所は、内外から評価を受け、現在も、男女共同参画センター(ムーブ)における離婚講座の講師を歴任している弁護士、福岡県弁護士会北九州部会において男女問題にかかわる「両性の平等委員会」の副委員長に選任された弁護士などが在籍しています。

ひびき法律事務所に所属する5人の弁護士(内1名女性)は、全員が、養育費請求につき、未成年者のための最大限実現されなければならない事柄との認識を共有し、今後も、適正な養育費の実現に向けて、依頼者をサポートします。

北九州における養育費のご請求のご相談・ご依頼はひびき法律事務所にお任せ下さい。

所属弁護士

  1. 山上 知裕
    出身 北九州市若松区出身   昭和57年登録 (登録番号18139)
  2. 油布 剛
    出身 大分県 平成19年登録 (登録番号35800)
  3. 河合 洋行
    出身 北九州市小倉北区 平成23年登録 (登録番号44360)
  4. 仲地 あや子
    出身 沖縄県那覇市出身 令和元年登録 (登録番号58567)
  5. 山本 耕作
    出身 大分県延岡市出身 令和4年登録 (登録番号 61818)

養育費の目安

養育費は、上記のように、子を監護していく親(通常は親権者)に対して、非監護親が支払うべき費用です。

では、その金額はどのように決まるのでしょうか。

折り合いがつかないことが多い

この点、養育費の金額は、監護親と非監護親とが協議によって決めることが可能です。下限や上限を定める法律はありません。

他方で、養育費の額が問題となる場面では、父親と母親とで、その協議が整わないことも少なくありません。

協議がまとまらない典型的な例としては、養育費を支払う側がその金額を少なくすることを希望し、これを受け取る側が、その金額を多くすることを希望するために、金額面で折り合いがつかないというケースです。

算定表が目安となる

当事者間で、金額に折り合わない場合に参考にされる資料の一つが、裁判所作成の「婚姻費用・養育費の算定表」です。

参考リンク(外部) 裁判所/養育費・婚姻費用算定表のページ

この算定表によると、監護親及び非監護親の自営・給与所得の別及び金額と子どもの年齢、人数に応じて、養育費の目安を得ることができます。

実際、家庭裁判所の調停を行ってみると、家庭裁判所の調停委員も、養育費の金額につき、この算定表ないし算定表の下となる算定方法を重要視していることが強く伺われます。

算定表だけでは解決できない

もっとも、上記の算定表はあくまで目安です。実際の算定に際しては、たとえば次に挙げるような事情が金額算定に際して考慮の対象となりえます

【金額の算定に対して考慮対象となりえる要素】

  • そもそも算定表使用に際して、相手方の所得が明らかでない
  • 現在無収入であるとしても、潜在的な稼働能力が認められる
  • 就労収入以外の収入がある
  • 子どもの持病や障害等のために費用加算が必要となる
  • 私学に通うための費用加算が問題となる
  • 監護親に非監護親名義の不動産の使用などを許諾している
    等等

算定表は、あくまで収入と未成年の子の数に応じて、養育費の目安を算定したものにすぎず、上記のような個別の事情を加味したものではありません。

そのため、算定表だけでは、適正金額を算定できないことが少なくないのです。その結果、養育費の金額を定めるに際して、当事者間で事情の有無・評価をめぐり、主張がしばしば対立します。

養育費の支払方法

次に養育費の支払い方法についてです。

一般的な支払いの方法

養育費の支払方法は、非監護親が監護親に対して、毎月一定の額を支払っていくという内容で定めるのが一般的です。

この場合、たとえば、「未成年者が20歳になる日の属する月まで、月額3万0000円を毎月月末限り○○口座に振り込む方法で支払う」といった内容の取り決めをすることになります。

これを定期金払いといいます。

一括支払いがなされるのは限定的

もっとも、養育費の支払方は、法律で定められている訳ではありません。

そのため、当事者間で合意ができれば、将来に渡る費用全額を一括で支払うという内容も定め得ます。

しかし、養育費の分担に関し、将来分を含めて一括で支払うこととなる場合、その額が過大になることも少なくありません。

そのため、一括払いの合意に達するのは、たとえば、未成年者の年齢が比較的成人年齢に近く(残りの支払い期間が短く)、非監護親に一括で支払う能力と意思がある、といった限定的なケースに留まります

振り込み先

養育費をめぐっては振込先もしばしば対立の種になります。

振込先は、監護親、たとえば母親が親権者の場合には母親の口座とするのが一般的です。

他方で、非監護親において、監護親名義ではなく、未成年者名義の口座に振り込みたい、という要望がなされることも少なくありません。

この場合、当事者の合意の下で、養育費を受け取る権利者を監護親と定めたうえで、その振込先口座を未成年者の口座とする、といった柔軟な対応をとることもあります。

養育費を定める手続き

養育費は、離婚に際して決めても構いませんし、離婚後に定めることもできます(ただし、過去分に遡って定められるかについては、別途検討すべきことがありますので、別の機会に解説します。)。

また、一旦定めた養育費の金額や終期(最終支払月)を変更する場合もあります。

何れの場合においても、当事者間の協議や調停が整わない場合には、家庭裁判所において、養育費の分担義務やその金額等につき、判断してもらうことが可能です。

初めて養育費を定める場合

初めて養育費を定める場合は、「離婚に際して定めるケース」と「離婚後に定めるケース」の二つに分かれます。

離婚に際して定める

離婚に際して養育費を定める場合には、離婚協議、離婚調停、離婚訴訟において、未成年者の親権者などと併せて養育費の金額や支払時期について定めるのが一般的です。

離婚協議で養育費を定める場合、公正証書という書類を作成することもあります。

離婚後に定める

離婚後に養育費を定める場合には、養育費に関する協議あるいは調停及び審判という手続により、金額等を定めることになります。

協議による場合には、離婚協議の場合と同じく、養育費に関する協議内容につき、公正証書を作成することもあります。

一旦定めた養育費を変更する場合

また、一旦定めた金額や終期について変更ができる場合もあります。

養育費の変更も、当事者の協議・合意によって可能ですが、協議・合意が整わない場合、その増額・減額、あるいは終期の変更などを求めて、家庭裁判所の調停や審判手続を利用することができます。

養育費の実現手段

養育費を、上記のような各手続きで定めたものの、非監護親がこれを支払わない(義務の不履行)場合、監護親は、強制執行手続によって、養育費を回収していくことになります。

別の法的手続の要否

この場合、別途裁判が必要か否かは、養育費を定めた手続により異なります(参照:未払いの養育費の回収について)

  • 協議で養育費を定めた場合(公正証書無し)
    裁判等別の手続きが必要
  • 公正証書(執行認諾文言付き)・家庭裁判所の手続で定めた場合
    裁判などの手続なくして、執行が可能

養育費を定める手続等によっては、強制執行の可否に差が出ますので、監護親から任意に支払ってもらうのに不安がある、といった場合には、強制執行まで見据えて手続を選択しなければなりません。

なお、家庭裁判所で、養育費の支払い義務を定めた場合、家庭裁判所から義務者に対して、養育費を支払う様に勧告(履行勧告)をしてもらうことができますが、これには強制力がなく、任意の支払いを促すものにとどまります。

直接強制と間接強制

強制執行の手続には大きく二つの種類があります。直接強制と間接強制です。強制執行を行う監護親は、裁判所にどちらの手続を行ってほしいか、選択することになります。

直接強制

直接強制は、給与や不動産といった財産を直接、差し押さえるというものです。

養育費の実現方法として一般的な手続ですが、勤務先や相手方の情報などが分からないと、手続をとることができないという短所があります。

間接強制

養育費の間接強制は、これを支払わない場合に、さらに「間接強制金」を課すとすることで、養育費の支払義務者に心理的な圧迫をかけ、養育費の実現をはかる方法をいいます。

相手方の任意の履行を促す方法であるゆえに、相手方の勤務先や財産の所在地が分からない場合でも利用可能、というメリットがあります(ただし、それでも支払わない場合は、別途直接強制をしなければならなりません。この場合、やはり、相手方の勤務先や財産の情報が必要となります。)

養育費を巡る問題は弁護士にご相談を

養育費を巡る問題は、弁護士が相談を受けることの多い問題の一つとなっています。

弁護士が行えること

上記のとおり、養育費を巡っては、そもそも適正金額はどの程度なのか、これを定める手続をどのように選択すべきかといった法律上の問題が付随します。

また、婚姻関係が破綻した離婚当事者間においては、養育費の交渉をすること自体、難しい場合も少なくありません。

養育費を巡る問題に直面された場合、その内容やと手続などにご不安が有られる場合、相手が任意に支払ってくれず、養育費の回収が難しい場合には、是非一度、弁護士にご相談ください。

弁護士は、依頼者に代わって、相手方当事者と協議し、または調停・審判、強制執行などの手続を追行することにより、適正な養育費の実現をサポートします。

弁護士費用について

養育費の請求手続(協議・調停・審判等)及びその強制執行に関する弁護士費用は以下のとおりです(別途消費税)。

養育費の請求手続

着手金10 万円~30万円程度
報酬依頼者が得た経済的利益による
※月額金額及び支払が見込まれる年数等によって定める(2年分の10%が目安)
備考※1 離婚協議・調停・訴訟などと同時に受任するときは、着手金は上記の額の2分の1。ただし、離婚協議等に関する費用が別途費用。

養育費の強制執行の手続

強瀬執行の弁護士費用は、養育費請求に関する本案を弊所弁護士が受任していたかどうかにより異なります。

弊所の弁護士が、養育費に関する調停や離婚訴訟など本案を受任していた場合

執行手続経済的利益の額着手金報酬
300 万円以下の場合2%4%
300 万円を超え3000 万円以下12.5%+2.25 万円2.5%+4.5 万円
3000 万円を超え3 億円以下0.75%+17.25 万円1.5%+32 万円
※養育費・婚姻費用の執行にかかる経済的利益は、養育費、婚姻費用の2年分をもって算定する。
※最低着手金の額は、5万円
※地方裁判所に対する財産開示・第三者情報開示の手続はそれぞれ5万円

弊所の弁護士が本案を受任していなかった場合

執行手続経済的利益の額着手金報酬
300 万円以下の場合4%8%
300 万円を超え3000 万円以下2.5%+4.5 万円5%+9 万円
3000 万円を超え3 億円以下1.5%+34.5 万円3%+64 万円
※養育費・婚姻費用の執行にかかる経済的利益は、養育費、婚姻費用の2年分をもって算定する。
※最低着手金の額は、10万円
※地方裁判所に対する財産開示・第三者情報開示の手続はそれぞれ5万円
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