別居時に弁護士に相談・依頼をすべきか

夫婦関係の悪化を理由に、別居を開始するとき、まだ離婚を考えていない、といった段階でも弁護士に相談・依頼をすべきでしょうか。

一旦は弁護士相談してほしい

正直なところ、別居開始の段階から、法律相談に来られる方は多くありません、多くの場合、「離婚」を前提に相談に来られる方がほとんどです。

ただ、弁護士の立場からすれば、夫婦が別居を開始するとき、次のような理由から、一旦は、ご相談をいただきたいと考えています。

弁護士に相談をするメリット

  1. 別居の開始の仕方・態様によっては、別居を始める行為自体が有責とされる場合がある。
  2. 別居時の婚姻費用の分担について、弁護士がアドバイスをすることができる
  3. 将来、離婚をするとなったときに、別居開始前に抑えておくべき証拠についてアドバイスをすることができる。
  4. 夫婦関係悪化にかかる原因につき、法律的な視点で有責性のアドバイスをすることができる。

別居は、法定離婚原因を基礎づけうる事情の一つですが、別居の開始の仕方・態様によっては、「違法」との評価を受けてしまうこともあり得ます。

他方で、即座に別居を開始しても問題ない、といったケースもあります。

後々離婚の問題となった時に、別居の態様が問題とならないよう、事前にどういった態様で別居を開始すべきか、確認・検討をしたもらうため、あるいは別居時の生活費の分担額について適正な金額を検討するため、一度、弁護士に相談をしていただければと思っています。

相談可能な施設など

相談に際しては、法律事務所に直接申し入れてもよいですし、近時は、自治体や男女共同参画センター、弁護士会、法テラスなどで法律相談会が随時開催されている地域も多くなっていますので、こうした法律相談会を利用してもよいと思います。

相談会によっては、無料のもの、有料のもの双方有ると思いますので、自治体などのHPなどで確認してみてください。

いずれによせ、後々、大きなトラブルとなるのを避けるため、是非、一度、弁護士に相談をしてほしいところです。

弁護士に依頼すべきか否かは、ケースバイケース

離婚をまだ考えていないなら、別居開始の時点で、弁護士に依頼をすべき、というケースはそこまで多くないと思われます。

弁護士にご依頼を検討することが望ましいケース

ただ、たとえば、次のような場合には、別居開始時点で、弁護士にご依頼されるメリットが大きいため、ご依頼をご検討されることをお勧めします。

  1. 別居時の生活費が十分にもらえていない、あるいは過剰に請求されている
  2. 別居の原因がDVである
  3. 別居の原因が一方当事者の浮気・不貞行為である
  4. ご自身が相手方配偶者と話・協議をすること精神的に難しい

弁護士の役割

上記の内、①~➂は、法律上の争点が顕著に発生するケースです。こうしたケースでは、弁護士は、適正な結果の実現に向けて、手続を追行します。

参照:婚姻費用について

参照:不貞・浮気

参照:暴力/DVについて

➃は、離婚に向けた協議の他、日々の事務連絡的なやりとり、書類のやりとりなども、弁護士に行ってもらうことで精神的な負担を軽減することを目的としています。

なお、弁護士に依頼をされる場合、弁護士費用が必要となりますので、コスト面との折り合いが必要となります。この点についても、ご相談される弁護士にお問合せいただければと思います。

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