不貞行為の慰謝料などについて、示談書・誓約書の書式・テンプレートを紹介します。
示談書・誓約書について
不貞行為があったとき、配偶者や浮気相手との関係で、示談書や誓約書を作成することがあります。
当事者間の話し合いで、合意に達したとき、これを証明するために作成する文書です。
名前に大きな意味があるわけではありませんが、浮気した本人だけが作成する場合には「誓約書」というタイトルで文書を作成することが多いです。
文例・テンプレートの紹介
示談書・誓約書の文例・テンプレートは、各種の法律事務所や離婚専門サイトのページで様々用意されているので、参考とすることができます。
ただ、たくさんありすぎて分かりにくいため、分かりやすいものをいくつかピックアップしました。
たとえば、次のサイトのテンプレが、分かりやすいように思います
不倫誓約書について
身近な離婚情報誌 リーガレット
https://libertybell-law.com/rikon/cheating-oath
ワードのテンプレートがあります。夫婦間で作成する形式となっています
示談書/示談合意書について
➀身近な離婚情報誌 リーガレット
https://libertybell-law.com/rikon/affair-settlement#i-15
ワード・PDFのテンプレートがあります。
このサイトでは、不貞の相手方との間の示談合意書(基本型)のほか、不貞をした配偶者・浮気相手2者と被害者との間の合意書、ダブル不倫の場合の合意書の3つが準備されています。
➁草津駅前法律事務所
https://www.kusatsu-ekimae.jp/15005277500954
この草津駅前法律事務所のサイトでは、HTML形式で、「ダブル不倫のゼロ和解の示談書」のテンプレートが置かれています。
文例紹介としてこれを取り上げているのは珍しいと思います。
サンプル
なお、浮気相手との間で締結する示談書につき、シンプルなものを一つ、本サイトでも挙げておきます。
言うまでもありませんが、いずれのテンプレートを利用される場合でも、ご自身だけで作成するのは避け、弁護士へご相談をすすめます。
金額が妥当か否か、他の条項を盛り込まなくていいかなどのチェック・検討は必要です。
示談合意書
甲(○○○○(浮気をされた者の名前))と乙(○○○○浮気相手の名前)は、甲の配偶者丙と乙との間の20○○年〇月頃から20○○年〇月頃までの間の不貞行為(以下、本件「不貞行為」という。)に関し、次のとおり合意した。
記
第1条 乙は、甲に対し、本件不貞行為があったことを認める。
第2条 乙は、甲に対し、慰謝料として金100万円を支払う義務があることを認める。
第3条 乙は、前条の金員を20〇〇年○月〇日までに、○○銀行○○支店の甲名義の普通預金口座(口座番号○○○○○○○)に振り込む方法により支払う。振込手数料は、乙の負担とする。
第4条 乙は、丙に対する求償権を放棄する。
第5条 乙は、直接あるいは通信手段を用いるとを問わず、今後、丙に接触しないことを約束する。
第6条 乙は、前条の義務に違反した場合、違約金として1回あたり、金10万円を甲に支払うことを約束する。
第7条 乙は、本件不貞行為に関し、みだりに口外(通信手段を用いた情報の公開を含む)しないことを約束する。
第8条 甲と乙は、甲乙間において、本書に定める者のほか、何らの債権債務関係がないことを相互に確認する。
本示談成立の証として、本示談合意書を2部作成し、各自1通を保持する。
20○○年 月 日
- 住所
氏名 ㊞ - 住所
氏名 ㊞
示談合意書・誓約書の効力
示談合意書あるいは誓約書には、これを一定の形式の公正証書で作成しない限り、直ちに強制執行できる、という効力はありません。
たた、当該文書に記載された権利義務関係は、裁判を通じてこれを認めて貰うことが可能です。
たとえば、上記の例では、甲は、乙が慰謝料を支払わない場合、乙に対して、不貞の証明を経なくても裁判で金100万円を求める請求をすることが可能となります。
また、不貞の裁判でありがちな減額の反論も、示談合意書・誓約書を作成しておくことで排斥することができます。
示談書が無効となる場合
示談書・誓約書は、公序良俗に反するような内容になってはいけません。たとえば、接触禁止条項(上記第6条につき)1回接触したら1000万円を払わせる、という内容だと、合意全体あるいは一部無効と判断される可能性が大です。
慰謝料の額・解決金の額があまりに高額でも、同様の問題が生じます。
さらに、示談書・誓約書につき、相手の自由意思を奪うような形(詐欺・強迫)で書かせても、当該文書の効力が否定される理由となりますので注意が必要です。