「離婚裁判」は、会社や勤務先にばれるか

離婚裁判に際して、裁判をしていることは会社に知られてしまうのでしょうか、弁護士は、こうした相談を受けることがあります。

裁判自体はバレずにすむことも多い

「離婚」そのものについては、離婚成立後、会社内での社会保険の手続あるいは転居等の関係で、会社に知られることも多いと思いますが、離婚裁判自体は、バレずに済むことも多いです。

 

なぜならば、離婚裁判が行われたとしても、会社にその旨の通知がいくことは基本的には無いからです。

離婚裁判を行っていることが会社に知られる可能性があるケース

とはいえ、離婚裁判が行われていることが、絶対にばれないか、というと必ずしもそうではありません。いくつか、会社に知られてしまう可能性のあるケースを紹介します。

当事者が会社に伝えるケース

たとえば、離婚訴訟前あるいは離婚訴訟中、生活費の分担が行われていない、あるいは、社内不倫が離婚の原因だ、あるいはなどの理由で、または単純な嫌がらせ、相手にプレッシャーをかけるなどの目的で、当事者の一方やその親族が相手の会社や勤務先に連絡をとったり、訪問したりすることがあります。

勤務先に送達がされるケース

当事者の一方の住所が不明な場合、可能性として、勤務先が裁判所の書類の送達先とされる場合がありえます。

もっとも、家庭裁判所も、勤務先を送達先とすることについては難色を示しますので、勤務先が送達先とされるのは、先方からの連絡があったにも関わらず、住所を隠し続けている、といったケースではないかと思います。

勤務先に対する嘱託がされたケース

離婚裁判継続中、勤務先に対して、文書の開示を求める嘱託などがなされるケースがあります。たとえば、退職金や給料明細などの開示を求めるような嘱託手続です。

インターネット上では、勤務先への調査嘱託によって、「別居時点での推定退職金」の額から婚姻前に積み上がっていた退職金の額を引いた金額の回答を得た、などの例が見つかります。

もっとも、家庭裁判所も、当事者の要望(申立て)があれば、必ずこの嘱託手続を行う、という運用は取っておらず、その必要性などを吟味して、嘱託を行うか否かを判断します。

当事者の一方が誠実かつ裁判所の判断に必要な資料を任意で提出している、という状況ではこの嘱託も否定される可能性が高いです。

傍聴によってバレるケース

離婚裁判には公開原則が働きますので、誰でも傍聴が可能です。

ただ、有名人でもない限り、離婚裁判を行っているということ自体が、社会に周知されることはありませんし、一般的な離婚裁判においては、傍聴席には、だれもいない、というケースがほとんどです。

会社関係者に離婚裁判を行っていることがばれてしまうか、という点に関して言えば、「会社関係者の偶然の傍聴」も理屈としては有り得ても、実際には、ほぼ心配する必要は無いものと思われます。

 

まとめ

離婚裁判を行っていること自体が勤務先にばれる可能性というのはそれほど高くありません。

つぎの4つを「可能性として考えられる場合」として上げましたが、こうした事情で勤務先にばれてしまうケースと言うのは、比較的に少ないのではないかと思われます。

特に、最後の傍聴のケースは、可能性として、ごくごく抽象的な可能性にすぎません。

  • 当事者が会社に伝えるケース
  • 勤務先に送達がされるケース
  • 勤務先に対する嘱託がされたケース
  • 傍聴によってバレるケース
>北九州の弁護士ならひびき法律事務所へ

北九州の弁護士ならひびき法律事務所へ

CTR IMG