離婚調停の呼び出し状が届かない・・・なぜ!?

「離婚調停の呼出状がとどかない」、というご不安を抱えている方の相談をうけたことがあります。

離婚調停の呼出状とは

離婚調停の呼出状とは、夫婦の一方が、離婚調停を申し立てた場合に家庭裁判所から送付されてくる文書です。

通常は、「離婚調停の申立書」の副本とともに発送されることが多いです。

離婚調停の申立てがなされた場合において、当該書類に形式的な不備がなければ、家庭裁判所側の繁忙さにもよりますが、多くの裁判所では、申立から2週間程度で、上記副本・呼出し状が発送されていると思います(※1)

※1 コロナが大流行したときには、1ヶ月以上かかっていたこともありました。

離婚調停の申立てがなされた場合において、当該書類に不備があれば、家庭裁判所は、申立人にその補正を求めます。

この場合、申立人による補正が完了してから、呼出状が送付される運びになります。

呼び出し状がこない、というご相談の中身

上記のご相談の中身を大別すると、二つです。

  1. 申立人側のご相談
    自分で離婚調停を申し立てたのだけれど、家庭裁判所から、呼出状が相手に届かないと言われた、というもの。
  2. もう一つは、相手方側のご相談。
    相手方あるいはその代理人から、「離婚調停を起こします、と言われてしばらく待っているのですが、一向に届きません、大丈夫でしょうか」というもの。

細かな話をすると、離婚調停について、「2回目以降の期日の呼出状が来ないのですが・・・」というものもありますが、当事者が、ひとつ前の調停に出廷している場合、通常、別途の呼出状は発送されません。

申立人側のご相談 自分で申立てをしたが相手に届かないというケース

まず、離婚調停を申し立てたのに「相手に呼出状が届かない」というケースについてです。

ご自身が把握していた住所を記載して、離婚調停を申し立てた場合であっても、その住所が間違っていると、当然のことながら、家庭裁判所からの文書は相手に届きません。

この場合、申立人は、たとえば次のような対応をして、住所を確認する必要が生じます。

・相手本人あるいは知人・友人などを通じて相手住所が確認できるのであれば確認をする

・弁護士に事件処理を委託し、相手方の最新の住民票あるいは戸籍の附表あるいはそれ以外の方法で住所が確認できないか、試みてもらう。

上記のような調査を尽くしてもなお、住所が確認できない場合には、調停ができず、離婚訴訟の提起を検討することになります。

相手方側のご相談 「離婚調停をするぞと言われたのに、一向に書類が届かない」というケース

次に、相手方側からのご相談として「離婚調停をするぞと言われたのに、一向に書類が届かない」というご不安を抱えられているケースについてです。

呼び出し状が来ない理由

この場合に呼出状が届かない理由として考えられる一番の理由は、まだ離婚調停が起こされていないか、離婚調停が起こされていたとしてもまだ間もないか、というものです。

離婚調停を起こすぞ、と言われて1か月たつ、という場合でも、まだ呼出状が来ていないのであれば、上記の理由が妥当するケースが最も多いのではないかと思います。

実際、申立書の作成、関連資料の作成、戸籍の取得、主張・証拠の整理など、離婚調停の申立には、それなりの時間がかかることが多いです。「離婚調停をする」と言われて何も音沙汰がない、と言う場合には、まだ準備中なのかもしれません。

上記以外の理由で、「呼出状が届かない」というケースの理由としては、単純に家庭裁判所の事務が遅れているか、補正に手間取っているか、などが考えられます。

対応策:相手に調停を申し立てたか確認する

離婚調停をするぞ、と言われてから、一定期間たっても呼出状が届かない場合に、どうしても気になるなら、「離婚調停を既に申し立てているか相手に聞く」というのも手です。

こう聞くのがためらわれるのであれば、「しばらく話し合いができていないけど、また話し合いの場を持ちたい」など、遠回しに状況確認をする方法もあります。

この点、家庭裁判所に「もう私に対する調停起こされてますか」と聞いても、おそらくは、「申立てがあったら呼び出し状が行きますから」ぐらいの対応しかしてくれないのではないでしょうか(確認をしたことはありませんので推測です。)

なお、待っているだけじゃなくて、早く状況を動かしたい、と言う場合には、ご自身の意思に応じて、自分から「離婚調停」の申立てをしたり、「円満調停」を申し立てたり、ということも考えられます。

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