離婚の切り出し方に関する一考

今回は、離婚の切り出し方についての一考です。皆が皆に当てはまるものではありませんが、思考の一助となれば幸いです。

切り出し方について悩む理由

離婚の切り出し方について悩む理由は人それぞれです。

  • 自分自身が離婚について悩んでいる。
  • 相手が怒ってしまうかもしれない。

人生における転機の一つですので、悩むのは当然です。

離婚を切り出す手段

離婚関係のサイトを見ると、離婚を切り出す方法論として、いくつか手段が紹介されています。

最もオーソドックスな方法は、二人で話し合う場を持つ、というものですが、それ以外にもたとえば次のような手段が紹介されています。

  • メールやラインで切り出す
  • 親族に同席してもらう
  • 専門家に入ってもらう

もちろん、こうした方法論を検討することが有効な場合もあると思います。

メールやラインで切り出す方法、親族・専門家に入ってもらう方法は、いずれも夫婦対面での協議が難しいときに有用です。

原因別の離婚の切り出し方

また、サイトによっては、離婚原因別の切り出し方が紹介されていることもあります。

伝えるべき内容を伝える、という意味では、「離婚原因」に焦点を当てることも有用かと思います。

ただ、多くの場合、離婚の「切り出し方」で悩まれている多くの方にとっては、離婚原因をどう伝えるか、よりも、結局、それを切り出す空気づくり、場面づくりのほうが、もしかしたら重要なのではないでしょうか。

離婚を切り出すためのハードルをどう下げるか

もちろん正解は、一つではありません。「正解」といえるものがないケースもやまほどあります。

ただ、「離婚の切り出し方」に悩まれている場合、一つの解決策として、意識の所在を「離婚を切り出すためのハードルをどう下げるか」にもっていくと良いかもしれません。

過程・プロセスに着目する

たとえば、学生時代、好きな人ができて、その想いを伝えたいというとき、告白の「内容」だけを考えたでしょうか、「伝え方」だけを考えたでしょうか。

きっと、そうではなくて、そこに至るまでの過程やプロセスについても考えたはずです。

離婚を切り出す場合も、その「内容」「伝え方」だけを考えるのではなく、そこに至るための「過程」や「プロセス」について着目してみるのはどうでしょうか。

夫婦関係に問題があるという認識の共有

「離婚を切り出す」ということを考えている、というとき、多くの場合、夫婦関係に何らかの問題が発生しているはずです。

性格の不一致・価値観の不一致、不貞、家族の不和・・・など、がこれに該当します。

「離婚を切り出す」という場合には、いきなり「離婚」というワードを出す必要はありません。

これは、その時点で目指すべき「結果」です。夫婦関係について問題があるのであれば、その問題に焦点を当てて、「話をしたい」とか、「これからのことを話したい」などと切り出せれば十分です。

また、近しい時期に、夫婦仲悪化の原因あるいはこれを象徴するような問題が起きたのであれば、「この前の・・・について話をしたい」と切り出してもよいと思います。

夫婦関係に問題があるという認識を共有することが離婚を切り出すプロセスの第一歩となります。

夫婦問題の認識の共有がハードルを下げる

離婚の話し合いに入る前に「夫婦関係に問題がある」という認識が共有する過程・プロセスを上手に経ることができた場合、夫婦関係につき、自身の気持ちも整理されます。

その過程で、相手の頭にも「離婚」というフレーズが浮かぶかもしれません。そうなれば、相手に離婚を切り出すハードルは幾何か下がるはずです。

夫婦問題について話し合うなかで自然と「離婚」の話に進むケースもあります。

離婚の切り出し方について悩まれている場合には、一度は、それを切り出す「空気づくり」、「場面づくり」となるプロセスに着目して検討してみるのがよいかもしれません。

冷静に話し合えない相手には

もちろん、過程・プロセスを大切にしたからと言って、常に上手くいくわけではありません。

そもそも、「冷静に話し合うのが苦手」という人もいます、「夫婦問題を指摘されるだけで怒ってしまう」という人もいます。

上記において、「メールやラインで切り出す方法、親族・専門家に入ってもらう方法は、いずれも夫婦対面での協議が難しいときに有用」と説明しました。

「そもそも冷静に話し合うのが苦手」、「相手が怒りだしてしまう」といったケースでは、たとえば、第三者に入ってもらうことも有用です。

弁護士であれば、ご本人に代わって離婚協議を行うことも可能です。こうしたケースでは、一度、弁護士にご相談いただければと思います。

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