借金問題・多重債務問題を解決するための代表的な手段は、任意整理、自己破産、個人再生、特定調停という4つの手段です

参照:個人の債務整理に利用される4つの手段

今日は、上記4つの手段のうち、自己破産について、破産手続の目的とともに説明します。

自己破産とは

自己破産というのは、その名の通り、借金、多重債務問題に悩む方が、自ら、地方裁判所に破産の申立てを行うことによる破産手続を指します。

自己破産の対となる概念に債権者破産という概念がありますが、債権者破産は、破産者ではなく、お金の貸し手などの債権者が、債務者を破産させるべく破産の申立を行うことに起因する破産手続です。

自己破産手続と債権者破産手続を比較した場合、自己破産手続の方が圧倒的件数を占めています。日本で採られている破産手続の大多数は自己破産手続です。

破産手続の目的

破産手続は、おおざっぱに言えば、支払いきれない借金等の負債を抱えた債務者につき、①その財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、②債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする手続きです(破産法1条)

破産法1条では、破産法の目的として、大きく二つの目的が挙げられています。

① 財産等の適正かつ公平な清算
② 経済生活の再生の機会の確保

① 財産等の適正かつ公平な清算

破産手続において、破産者以外に最も利害関係を有するのは債権者です。

たとえば、破産者が多額のお金を借りておきながら、自己破産した場合に、債権者としては、破産者の財産をお金に代えて返してほしい、と考えるのが普通です。

また、お金を返さなくてよい、ということになりながら、破産者が、多額の資産を手元に残せるのでは、お金を貸した側が損をする社会にもなりかねません。

そこで、破産手続においては、破産者の換価価値のある資産は、原則として換価し、債権者への支払(配当)に充てることとしています。

たとえば、破産手続においては、破産者が有していた不動産や車両、解約返戻金のある保険、有価証券等は、原則として換価処分されますし、一定額以上の預金も換価の対象になります。

そのため、自己破産の申立に際しては、どのような財産が換価されてしまうのか、事前に検討しておくことが肝要です。

② 経済生活の再生の機会の確保

一方で、破産法は、破産者が、上記のように財産の清算を目的の一つとしながらも、破産者が新たな経済生活をスタートする機会を与えることを目的としています。

この点につき、もう少し見ていきます。

破産者は全ての資産を失う訳ではない

上記のとおり、破産手続においては、破産者の換価価値のある資産は、原則として換価されます。

しかし、当然のことですが、破産者にも生活が有りますし、破産手続において、すべての財産を失うことになるのでは、次に述べる経済生活の再生の機会の確保という破産法のもう一つの目的が実現できません。

たとえば、破産者の預金が10万円しかない、と言った場合、その預金まで失ってしまっては、破産者は当面の生活すらできません。

こうした事態をさけるべく、破産手続のもとでも、一定の範囲の財産は、破産者の手元に残すことができるとされています。

なお、破産者の手元に残すことができる財産は、破産法上の所定の手続をクリアすることができるか否かによって大きく変動し得ます。

ひびき法律事務所では、破産者の手元に残すことができる財産が、破産者の経済的リスタートの大切な原資であることを重視し、破産法にて許容される限り、破産者が維持できる財産を拡張すべく、積極的に支援をすることを心がけています。

免責手続

また、破産法は、破産者が新たな経済生活をスタートする機会を得るために、免責という仕組みを設けています。

免責というのは、貸金などの一般的な債権(破産債権)につき、破産者がその責任を免れるという仕組みです。

たとえば、消費者金融が100万円を破産者に貸し付けている場合に、破産者が免責を受けると、破産者は、その100万円を支払う責任を免れます。

この免責こそが、破産者が、自ら自己破産を申し立てる際の最大のメリットであり、多くの場合、破産者自身が自己破産の申立を行う動機でもあります。

もちろん、破産手続においては、誰しもが絶対に免責を得られるとは限りません。破産法で定められた一定の事由が存する場合、免責が認められない可能性もでてきます。

しかし、この免責こそが、新たな生活をスタートさせるための最大のチャンスです。

ひびき法律事務所では、この免責の重要性に鑑み、個人の自己破産申立手続に際して、破産者が免責を得ることに最も重きを置いたサポートをすることをこころがけています。