弁護士は、登録をするとバッジをもらえます。今日は、いつもの法律のテーマを離れて、このバッジについて紹介します。

堅苦しく書く内容でもありませんので、いつもより少しラフに書いています。

弁護士バッジの意味とデザイン

弁護士バッジ 表側弁護士バッジは、正式名称を弁護士記章といいます。

ウェブ上でもたくさん画像が見つかりましたが、写真があったほうがイメージしやすいと思うので張っておきます。

弁護士記章については、形状や制式が弁護士記章規則という規則に定められており、バッジの表側・裏側のデザインを次のようにすると規定されています。

<表側>
①16弁のひまわり草の花の中心部に秤一台を配する
②花弁の部分は金色。中心部地色は銀色

<裏側>
「日本弁護士連合会員章」の文字を刻し、かつ、登録番号を刻する。

なぜ「ひまわり」!?その意味について 

「ひまわり」のデザインが採用されたのは、太陽に向かって大きく伸びるひまわりを自由と正義の象徴と見立てているからです。

日本弁護士連合会(以下、単に「連合会」と言います。)は、その他の場面でも、ひまわりをイメージ花としており、たとえば公設事務所の名称に「ひまわり」という語を付しています。

なお、ひまわりの一般的な花言葉は、「あこがれ」「あなただけを見つめる」というものであり、花言葉としては自由や正義という意味は無いようです。

秤の意味

秤がデザインに採用されているのは、比較的イメージしやすいですね。

「公正」「平等」の象徴として秤が採用されています。

バッジの色

上記規則によると、バッジの表側の色は、ひまわりの花弁の部分が金色、中止分が銀色とされています。

バッジをもらった当初は、確かにひまわりの部分が金ぴかでした。

ただ、一般的な弁護士バッジは、バッジのひまわり部分の「金色」は、金メッキが施されたものにすぎませんので、使用歴に応じて、徐々に剥げていきます。

ベテランになればなるほど、金のメッキが剥げ、銀色になってくるわけです。上記の写真のバッジも少し剥げてきていますね。

ちなみに、バッジの色が変わるのは、経験が長いことを意味することが多いため、弁護士の間では、ピカピカの「金」よりもメッキが剥げた「銀」になっているほうが、「かっこいい」というイメージがあります(全員がそう思っている訳でもありませんが)。

反対に、経歴が10年近くなってもバッジが金ぴかのままだと、ちょっと気恥ずかしく感じることがあります。

基本は純銀。但し金を素材とするものもある。

素材は、基本的には純銀です。ただし、弁護士が希望して費用(6万円程度とのこと)を負担すれば、純金製のバッジを作ってもらうこともできます。

上記規則3条・4条参照
<3条>
弁護士から特に金製弁護士記章の交付の申出があるときは、連合会は、さきに交付した弁護士記章と引換えに、これを、所属弁護士会を通じて、弁護士に交付することができる。

<4条>
金製弁護士記章の作成・交付費用は弁護士の負担とし、交付を申し出るときに、所属弁護士会を通じて、連合会に納付しなければならない。


ただ、私の周りには、純金製のバッジを買ったという声は聴きませんし、金製のバッジ、見たこともありません。欲しくもありません。

裏側について

バッジの裏側には、登録番号等が記載されています。この点については、次の記事で紹介していますので、ご参照ください。

参照 弁護士バッジの裏側

バッジの大きさ

どうでもいいといえばどうでもいいのですが、気になったので、とりあえず定規で図ってみました。

バッジそのものの大きさは直径約18㎜、厚さは約5mmですね。秤がデザインされている内側の円の部分の直径は約5mm。どこかに規定もありそうですが。

留め具についてはいくつか種類がある模様。

バッジのつけ方・携帯義務

上記規則は、弁護士に原則として記章を携帯するように求めているものの、着衣に見つけることまでは要求していません。

身に着ける・つけないは自由。義務ではない。

バッジをつけるなら襟元に身に着けることが多いですが、弁護士の中には、そもそもバッジをつけない、という方も少なくありません。

規則上、バッジを身に着けるかつけないかは自由なので、着衣に身に着けることはせず、カバンなどに入れておく、という方も多いと思います。

裏返しにつけることもある

また、着衣に身に着ける方でも、バッジを裏返しに付ける方もいらっしゃいます。

バッジが金ぴか又は銀ぴかで、大きく目立つため、背広などにつけるにしても、あえて裏返してつけることが多いようです。

私も登録したての頃は良く裏返しにしてつけていましたが、最近は特に気にすることもなくなり、普通に着衣に身に着けています。

バッジの紛失について

弁護士にとって怖いのが「紛失」です。

紛失届などの提出

弁護士は、バッジを紛失した場合、自分が所属する弁護士会を通じて、連合会に紛失届の提出とバッジの再交付申請をしなければなりません。紛失届には、紛失した事情を書くことが求められます(規則7条)。

まぁ、この時点で、相当嫌です。

官報による公告

紛失届を受けた連合会は、弁護士名簿にその旨を記載し、又は記録し、かつ、官報に紛失した旨を公告します(同8条1項)。紛失した事実を全国に知らしめるわけです。

その費用は、原則として無くした弁護士の負担(同8条2項、3項)となります。

仕様が無いとはいえ、やはり相当嫌です。

再発行について

上記官報による公告の後、弁護士は所属の弁護士会から、バッジの再交付を受けられますが、やはりその費用は弁護士の負担(同規則第10条)。

お金を払って再交付を受けた記章は、登録したての頃と同じように金ぴか。これもまた恥ずかしい。

バッジを紛失すると、費用負担に加えて、かなり気恥ずかしい思いをすることになりそうです。

ドラマ等との違い 

バッジに着目して弁護士ドラマを見てみると、実際との違いがいくつか目につきます。

弁護士全員が常に身に着けている

第一点は、登場する弁護士全員がバッジを身に着けている点です。

あくまで主観的なイメージですが、日常業務に際してバッジを毎日つけている弁護士は、むしろ少数派なように感じます。

ベテランでも金色

また、バッジの色が、使用歴に沿って徐々に銀色になるのが通常です。

他方、ドラマでは、全員が金ぴかのバッジをつけていることが多々あります。全員、新人・若手に見えてくるから不思議です。

よく見ると、秤の部分も金色

レプリカの場合、細部までこだわって作られていないことも少なくありません。

多く、バッジの中心部、秤の部分まで金色ということがあります。登場している弁護士が実は偽物なのではないか、という伏線に思えてくるから不思議です。

最後にちょっとだけ真面目な話を。

上記とも関連しますが、最後にちょっとだけ真面目な話を。

レプリカ・偽物を使った違法行為

ネットオークションなどで、弁護士バッジのレプリカ・偽物が売買されていることがあります。

また、少し前のニュースで、うろ覚えですが、まったく弁護士でない者が、弁護士であると偽って相談者のご自宅まで訪問していた、という事件がニュースになったこともあります。

そのニュースでは、自宅内で本物の弁護士と偽物の弁護士とのやりとりが録音されていましたね。

バッジのレプリカ・偽物を使って弁護士と偽り、誤信させることはもちろん、違法です。

識別・確認の方法

此の点、ネットオークションなどで売買されているレプリカを良く見ると、バッジの中心部まで金色である等の点で本物と違う点も少なくなく、形状・色そのものから本物か否かを識別することもできます。

ただ、もっと確実に確認するには次の方法が有効です。

① 所属弁護士会と登録番号を聞く

バッジを持っていても、何か怪しいと思ったら、「どこの弁護士会に登録されていますか?」「登録番号は?」まずこれを聞きましょう。

まずこれを聞きましょう。所属弁護士会・登録番号が言えないようなら、それだけでもう殆ど黒と踏んでよいです。

② 弁護士会に直接確認し、連絡先を聞く

所属の弁護士会・登録番号が確認できたら、所属の「○○という弁護士は在席していますか?登録番号は●●●●●です。)と確認してみましょう。

該当がない場合、その弁護士をかたる人物は偽物です。