インターネット・電子商取引の特徴インターネット取引・電子商取引をめぐるトラブルは、社会のIT化、ビジネスのEC化に伴ってますます増加していく傾向にあります。

インターネットの普及によって、既存の法律が想定していなかったビジネス・営業行為も増え、インターネット・電子商取引を巡る法律問題は錯そうし、複雑化を増しています。

事業者にとっても消費者にとっても、こうしたインターネット上のトラブルを予防・解決するためには、電子商取引を巡る法律に関する知識やインターネット取引場面における民法等の法適用・法解釈に関する知見が必要になります。

インターネット取引・電子商取引の特徴

インターネットにおけるBtoC取引は、企業と顧客とが会わない・非対面であるという点に大きな特徴があります。

この特徴を有するために、インターネット取引・電子商取引では次に述べるように、①広告・表示の適正化、②取引相手の信用性を確保が重要な課題となります。

① 広告・表示の適正化が重要

<サービス・商品に対する理解が不足しがち>
インターネット・電子商取引では、顧客側が商品やサービスについて、口頭で説明を受ける機会というのは基本的にありません。また、物販・小売りについて見ると、顧客が現物たる商品を現に確認しないまま。取引成立に至ります。

その結果、顧客が、サービス・商品について十分な理解を得ないまま、契約に至ってしまうことも少なくありません。

インターネット取引・電子商取引の非対面性・非直接性に由来して、事業者・顧客間でサービス・商品を巡るトラブルが生じやすいと言われています。

こうしたトラブルを回避するためには、インターネット上の表示・広告を適正化し、顧客が、商品・サービスの内容等について、理解できるよう努めておく必要があります。

<広告・表示規制>
法律も表示・広告の適正化という観点から種々の規制を置いています。たとえば、特定商取引法は、通信販売について、広告規制を定めています。

また、必ずしもインターネット取引に限った規制ではありませんが、景品表示法も、「表示」に関して優良誤認・有利誤認を禁止するなどして、表示の適正化を図っています。

インターネット取引や電子商取引を行う場合、事業者は、こうした表示・広告に関する法規制を理解しておくことが重要です。

反面、消費者にとっては、こうした規制を順守していない事業者との取引は避けるのが無難です。

② 取引相手の実在・権限に関する信用性の確保

取引相手の実在・権限に関する信用性の確保<顧客・消費者側からの視点>
インターネット・電子商取引では、取引が非対面で行われるため、取引相手の信用性をどのように確保するかも重要な課題となります。

インターネット取引を展開するのが優良企業だけに限られない以上、消費者としては、相手方が信用できる企業か否か、十分に検討することが必要です。

確かに、トラブルに巻き込まれたあと、弁護士等が介入することにより事後的な救済ができるケースもあります。

しかし、弁護士が介入しても現実的に救済が不可能というケースも、やはり相当数あります。費用対コストの関係で、そもそも依頼すること自体控えざるを得ない場合もあります。

消費者としては、インターネット上にきちんと連絡先が書いてあるか、実際にその企業と連絡がとれるか、連絡が取れたとしてその対応に不審な点はないか、通信販売であれば特定商取引上の表記があるか等を事前に確認して、相手方が信用できる企業か否か、十分に検討することが重要です。

<事業者側からの視点>
一方で、取引相手の実在・権限に関する信用性の確保は、事業者側にとっても、重要な課題になります。

教科書事例ではありますが、インターネットは未成年者も利用します。

そのため、事業者側は、未成年者の法律行為は原則として取消の対象となる、ということを前提に、インターネット上できちんと対策を講じておかなければなりません。

また、インターネット取引は、全くの第三者が、申込者に成りすましているというケースもあります。この場合には、取引の帰属が争いになることも十分に考えられます。

そこで、事業者側としては、ビジネスモデル構築の段階で、本人及び本人の意思をどのように確認するか、どのレベルで確認するか等の点を取引の程度・内容に応じて検討しておかなければなりません。

弁護士に相談を

上記のように、インターネット取引・電子商取引は、対面取引にない特徴を有しています。

こうしたインターネット取引・電子商取引によるトラブルを予防・解決するためには、専門的な法律知識が不可欠です。

インターネット取引・電子商取引を巡るトラブルの予防・解決に際しては、ぜひ一度弁護士にご相談ください。