今回は、任意整理手続をとることは主婦でもできるか、について解説します。

任意整理は、債権者と債務者とが話し合いをして、将来の利息のカット。分割弁済の合意を行うことで、債務者の返済の負担を減らし、借金問題の解決を図る手続きです。

専業主婦と兼業主婦とで分けて考える

一口に主婦といっても、専業主婦と兼業主婦とがいます。

このうち、兼業主婦は、一定の収入がありますので、その中から、毎月の返済原資がねん出できれば、任意整理を行うに際して、大きな問題は生じません。

他方で、専業主婦は、独自の収入がありません。

任意整理は、毎月一定額ずつ、債権者に返済をしていく手続です。そこで、収入のない専業主婦において、任意整理が認められるのか、がここでのポイントになります。

夫婦の一方に収入があれば可能

結論において、専業主婦であっても、任意整理は可能です。

年金収入など公的収入(ただし、生活保護による収入の場合については、別途の検討が必要)があれば、その収入を原資とすることができます。

また、公的収入がなくとも、夫婦の一方に収入があり、その収入のなかから返済が可能であれば、専業主婦でも任意整理は可能です。

一定の収入があることは任意整理の条件になっていませんし、現に、主婦だというだけで、任意整理を認めない業者もまずありません。

実際の返済方法

実際の返済方法も、夫からの収入をもって、毎月の弁済にあてることになります。

このとき、専業主婦の方が、家計の管理を任されている場合、夫に内緒・秘密で任意整理ができることもあります。

通常の貸金業者から、債務の名義人ではない夫に連絡がいくことはないからです。

ただし、借金につき、夫が連帯保証人となっている、家族カードにより借り入れをしており、夫にも返済義務がある、という場合については注意が必要です。

この場合は、貸金業者からも夫に連絡がなされる可能性が高く、内緒で任意整理をするということは困難です。

専業主婦にとって、任意整理は重要な借金問題解決の手段となる

専業主婦の方の場合、安定した収入がある方と比較すると、借金解決の選択肢は、狭まります。

安定した収入がないため、個人再生手続をとることは難しく、残された手続は自己破産手続のみとなってしまうからです。

そのため、専業主婦の方に大きな借金がある場合、任意整理が重要な選択肢となります。

なお、本ホームページでは、債務整理手続全般についても解説しています。債務整理を行う際、ぜひ一度ご参照いただけますと幸いです(詳細を見る)。