弁護士が、テレビやラジオなどで「先生」と呼ばれる場面、目に見したことがあると思います。
弁護士が活躍する映画やドラマなどで、呼称、敬称はほぼほぼ「先生」。
今日は、この「先生」との呼称・敬称について(呼称の定義はずれているかもしれませんが、ここでは、姓・名前の後ろにつける「さん」などを指して、呼称という言葉を使っています)。
「先生」ってどんな人につける呼称・敬称?
先生という呼称・敬称をつけること、あるいは呼ぶことが多い職業として思い浮かべるものってなんでしょうか。
私が最初に浮かぶのは、学校の教職員、医師・ピアノ等の音楽の講師。あとドラマなどで見る政治家。
仕事柄、弁護士はもちろん、税理士・司法書士・行政書士など士業の有資格者に対しても先生という言葉を使っています。
弁護士同士では
弁護士同士で互いに呼び合うときは、どうでしょうか。
ほとんどのケースで「先生」をつける。
弁護士同士だと、「スタンスとしてつけない」という方もいますが、ほとんどのケースで込めて「先生」をつけます。
例外的に、事務所のボスが新人や若手を呼ぶとき、経験年数がかけ離れている場合、特に親しい場合などの例外もありますが、たとえば、他事務所でこれまで交流のなかった人に呼びかけをするときはたいてい「先生」と付けます。
弁護士同士においては、「先生」とつけないと逆に失礼という場面もあるかなと思うくらい、日常的にこの敬称を使っています。また、法律事務所の事務職員が弁護士の名前を呼ぶときは、100%に近い数字で「先生」と敬称をつけていると思います。
この業界の外の方から見たら、少し異常、あるいは仰々しいかもしれません。
便利な場面
ただ、便利な場面もあるんです。それは、相手の弁護士の名前が頭に入っていない場合。
たとえば、懇親会などで、いきなり大勢の弁護士と顔を合わせると、当然、全員の名前、頭に入りません。
また新人弁護士がたくさん弁護士会に入ってきたとき。これも、名前と顔がすぐに一致しません。
そんなとき、話しかけるにはどうするか、どう呼ぶか。とりあえず「せんせい」と声を掛けます。全く不自然さなく、声を掛けられます。
法律事務所だと「○○部長」とか「○○係長」とかの役職もないので、なおさら、この呼称があったほうが便利です。
業界外の方が弁護士を呼ぶとき「先生」とつけたほうがよいか。
では、弁護士業界外の方が弁護士に声を掛けるとき、あるいはメールなどをするとき、呼称・敬称として「先生」とつけたほうがいいか。
これ、どこかにも書いたような気がするんですが、どちらでもいいです。
先生と呼ばれないと、だんだんと腹が立つんだと言っている弁護士の先生一人だけ知っていますが、大抵の場合、先生をつけても、つけなくてもどっちでもいいと思います。
私もどちらでもいいです。
「先生」以外の呼称
ちなみに「先生」と付けない場合、他にどんな呼称があるでしょうか。ちなみに呼び捨ては嫌です。これは弁護士として、ではなく人として。
一番最初に思いつくのは、「○○さん」ですね。これは結構あります。
あと多いのは、「弁護士」を後ろにつけるケース。たとえば、私の姓は「河合」ですが、「河合弁護士」などと呼ぶケースです。
事件の相手方本人からはこう呼ばれることが多いかもしれません。
メールや手紙の場合
メールや手紙の場合、日常会話よりも、丁寧に敬称をつけることが多いと思います。
「○○さん」と始めるビジネスメールってあんまりないですよね。
頂戴するメールで多いのはやはり「○○先生」ですが、それ以外には無難に「○○様」が多いです。ちなみに、私は「様」は相手を敬う一般的・日常的な敬称と理解してます。
他には、メール・手紙などにおいては「○○弁護士」と記載されていることも少なくないです。たとえば、「河合弁護士へ」などと記載されているお手紙、よく頂戴しております。
まとめ
つれづれにいろいろ書いてきましたが、結論において、弁護士業界以外の方が弁護士を呼ぶとき、「先生」とつけるか否かは、どちらでもいいと思います。使いやすい呼称を用いたらいいのではないでしょうか。
「先生」と付けない場合、さすがに呼び捨てはあんまりなので、立場・状況において、一般的な「さん」とか「○○様」「○○弁護士」などと呼ぶ・書くのが無難かと思います。