遺留分の計算方法
前回の記事で、遺留分のおおまかな計算式は以下のとおりであると記述し、①と②について説明しました。本稿では、③について説明したいと思います。
①被相続人が相続開始時において有した財産の価額+②贈与した財産の価額-③債務の全額
被相続人の債務額を引くのはなぜ?
遺留分制度は、遺留分権者の生活保障等のために最低限度の相続分を保証するルールです。最低限度の財産の取得(プラス)となるためには、遺留分権利者が実際に負担することとなる債務(借金)額を含め、計算後プラスの財産の分が遺留分権利者に配られる必要があります。そのため、遺留分の計算には、被相続人(亡くなった方)の債務を差し引く必要があります。
保証はどうなるの?
例えば、金銭消費貸借の保証契約は、お金を借りている主債務者が返還できないときに、主債務者の代わりに保証人がお金を貸している人にお金を支払うという制度です(連帯保証でないことに注意)。この事例からも分かるとおり、保証は、主債務者の代わりに保証人が支払うという制度です※連帯保証で無いことに注意。
そのため、保証の場合、原則として、③債務の全額にあたりません。
もっとも、被相続人が保証債務者として支払わなければならず、主債務者にお金(資力)がないため、被相続人(保証人)が主債務者からお金を受け取ること(求償)ができない場合、例外として、遺留分算定基礎財産として、③債務の全額にあたる場合があります(裁判例)。
遺留分算定にかんして弁護士にできること(一例)
弁護士には、下記のこと等を依頼することができます。
①様々な贈与・売買が遺留分算定の財産に含まれるのかいなかについての判断(最終的な結論は裁判所がだします)
②遺留分がいくらになるのかの計算
③遺留分を侵害している相手方に対して請求
さいごに
遺留分の算定は難しく、専門的知識が必要です。また、遺留分請求には時効がさだめられており、急がなければなりません。そのため、少しでも遺産相続について気にかかることがございましたら、お気軽にご相談ください。
北九州・小倉の法律事務所であるひびき法律事務所では、若手弁護士からベテラン弁護士まで在籍しており、遺産・相続などの様々なお悩みに対応可能です。ご気軽に相談予約のお電話をされてください。