相続とは
相続とは、一般的に、亡くなった方(被相続人)の財産関係を特定の生きている方(相続人)に承継させることをいいます。
相続の効果については、民法896条に規定されており、民法896条には「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」と定められています。
この記事では、相続の効果を規定する民法896条を解説していきたいと思います。
民法896条本文
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
相続が開始するのはいつから?
民法896条は、「相続開始の時から」と定めています。相続の開始を規定する民法882条は「相続は、死亡によって開始する。」と定めてあります。そのため、相続は、亡くなった方の死亡時から開始することになります。
相続はどこで開始するのか?
相続がどこで開始するのか民法896条では規定されていませんが、民法883条に規定されています。民法883条には「相続は、被相続人の住所において開始する。」と規定されているため、相続は亡くなった方の住所において開始することになります。
この住所は財産に関係ないけど、なんで定めがあるの?と疑問にもたれるかもしれません。
相続放棄や遺言書の検認は、死亡した場所の家庭裁判所で行われるため、相続開始場所も大切になってきます。
相続が生じたら、どうなるの?
民法896条は、「被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」と規定しています。
権利とは、亡くなっていた方が、死亡時に持っていたプラスの財産のことです。例えば、不動産・預貯金・現金・車などがあげられます。
義務とは、亡くなっていた方が、死亡時に持っていたマイナスの財産のことです。例えば、借金・ローンのことです。
相続が開始すると、亡くなった方が死亡時にあった、プラスの財産とマイナスの財産が全て相続人に引き継がれます。
そうすると、相続が開始することにより、相続人はプラスの財産とマイナスの財産を両方引き継ぐことになります!
※一部の財産を引きつぐ、一部の負債を引きつぐ「限定承認」という相続制度もありますが、これは後日書きたいと思います。
民法896条ただし書
民法896条ただし書に「被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」と規定されています。これは、亡くなった方限定で発生していたものを意味します。具体的には、代理・扶養等です。
さいごに
今日のコラムで相続とは何か、相続がいつ・どこで発生するのか分かったと思います。
しかし、相続の分野は例外もたくさんあるので注意が必要です。
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