宗教法人規則

Q 宗教法人規則とはなんですか?
 宗教法人規則とは、宗教法人の根本原則を定めたものです。宗教法人法18条5項には、「代表役員及び責任役員は、常に法令、規則及び当該宗教法人を包括する宗教団体が当該宗教法人と協議して定めた規程がある場合にはその規程に従」う、と規定されており、代表役員は宗教法人規則に従わなければなりません。
 会社では、似たようなものに定款というものがあります。会社の代表取締役は、会社の定款に従わなければなりません。
Q 宗教法人規則には何を定めなければならないのですか?
以下の事項を定めなければなりません。
 ①目的
 ②名称
 ③事務所の所在地
 ④設立しようとする宗教法人を包括する宗教団体がある場合には、その名称および宗教法人非宗教法人の別
 ⑤代表役員、責任役員、代務者、仮代表役員および仮責任役員の呼称、資格および任免並びに代表役員についてはその任期および職務権限、責任役員についてはその員数、任期および職務権限、代務者についてはその職務権限に関する事項
 ⑥上記⑤に掲げるもののほか、議決、諮問、監査その他の機関がある場合には、その機関に関する事項
 ⑦宗教法人法6条の規定による事業を行う場合には、その種類および管理運営(同条2項の規定による事業を行う場合には、収益処分の方法を含みます)に関する事項
 ⑧基本財産、宝物その他の財産の設定、管理および処分(法23条ただし書の規定の適用を受ける場合に関する事項を定めた場合には、その事項を含みます)、予算、決算および会計その他の財務に関する事項
 ⑨規則の変更に関する事項
 ⑩解散の事由、清算人の選任および残余財産の帰属に関する事項を定めた場合には、その事項
 ⑪公告の方法
 ⑫上記⑤から⑪までに掲げる事項について、他の宗教団体を制約し、または他の宗教団体によって制約される事項を定めた場合には、その事項
 ⑬以上に掲げる事項に関連する事項を定めた場合には、その事項
Q 宗教法人規則の変更はどのような段階を経て行われますか?
 宗教法人法27条によると、宗教法人規則の変更は以下の段階を経て行われます。
 ①所轄庁に対しての認証申請
 ②規則変更することを示す書類
 ③規則変更に必要な手続きをしていることを証明する書類の提出
 ④規則の変更が被包括関係にかかるor廃止にかかる場合には、定めた手続きをしていることを証明する文書
 ⑤所轄庁による審査・認証
Q 宗教法人規則を変更する場合に気を付けなければならないことはありますか?
 宗教法人規則は宗教法人の業務運営方針を基礎づけるものであり、大変重要なものです。そのため、宗教法人規則の変更は、以下の点に注意しながら行う必要があります。
 ・変更後の規則が法令に反していないか
 ・変更後の規則が他の規則規定と矛盾しないか
 ・規則の変更にあたり、変更に必要な手続きがなされているか

さいごに

 宗教法人規則を変更する場合、様々な手続きを踏む必要があり、この手続きを行わなければ所轄庁による認証を得ることができません。そのため、宗教法人規則を変更する場合、一度、弁護士に相談されるのをおすすめします。
 北九州小倉のひびき法律事務所では、若手からベテランまで様々な弁護士が在席しております。気軽にご相談にいらしてください。