1 裁判の進み方

(0) 全体像(裁判は、以下の通りに進んでいきます。)

①訴えの提起(訴訟手続きの開始)

②訴状の審査等

③口頭弁論

④争点及び証拠の整理手続き

⑤証拠調べ

⑥判決

⑦上訴期間の経過による判決の確定or上訴

(1)訴えの提起(訴訟の開始)

裁判(訴訟)を起こしたい人は、裁判所に、請求の内容を記載した訴状を裁判所に提出します。まれに、この訴えを記載した書面を裁判所に提出することで「裁判が始まった!」と思われている方がいらっしゃいますが、この時点では裁判は始まっておりません。あくまでも、裁判所で受付をしたという段階になります。

(2)訴状の審査等

裁判所は、受け取った訴状を、訴訟要件を満たしているかをチェックします。具体的には、当事者は適正か、相手方が法人である場合は資格証明書があるか、印紙は足りているか、郵券はあるか、管轄に問題はないか等です。

裁判所による訴状の審査をクリアして、裁判の相手方に裁判所から訴状等が送られます。この裁判所から相手方への訴状等の送付をもって、裁判が始まったといっていいでしょう。

(3)口頭弁論

裁判が始まると、当事者は、自身の請求内容を述べたりします。これを口頭弁論手続きといいます。

口頭弁論は、公開の法廷において、簡易裁判所では1人の裁判官により、地方裁判所では1人の裁判官又は3人の裁判官の合議体により、高等裁判所では原則として3人の裁判官の合議体により、それぞれ開かれます。地方裁判所については、法律に特別の規定がない限り1人の裁判官が審理することができます。もっとも、簡易裁判所の裁判に対する控訴事件は合議体で審理しなければなりませんし、事案が複雑困難である等の理由で合議体で審理する旨決定された事件についても、合議体で審理することになります。

口頭弁論期日においては、裁判長の指揮の下に、公開の法廷で手続が行われます。原、被告本人又はその訴訟代理人が出頭した上、事前に裁判所に提出した準備書面に基づいて主張を述べ、主張を裏付けるために証拠を提出することが要求されます。被告が欠席した場合には、被告が答弁書等において原告の請求を争う意図を明らかにしていない限り、不利な内容の判決が言い渡される可能性があります。

裁判長は、当事者の主張や立証に矛盾や不明確な点があれば、質問をしたり、次回期日にその点を明らかにするよう準備することを命ずることができます。

(4)争点及び証拠の整理手続き

判断に必要な事実関係について当事者間に争いがあり、争点及び証拠の整理を行う必要がある事件については、裁判所は、証人尋問等の証拠調べを争点に絞って効率的かつ集中的に行えるように準備するため、争点及び証拠の整理手続を実施することができます。

(5)証拠調べ

口頭弁論又は争点及び証拠の整理手続において、当事者間の争点が明らかになれば、その争点について判断するために、裁判所は書証の取調べ、証人尋問、当事者尋問等の証拠調べの手続を行います。証人は、原則として尋問を申し出た当事者が最初に尋問し、その後に相手方が尋問することになっています。裁判所は、通常は当事者が尋問を終えた後に尋問を行います。もっとも、裁判長は、必要があると考えたときは、いつでも質問することができます。証人等の尋問の順序、誘導尋問に対する制限その他の尋問のルールは民事訴訟法及び民事訴訟規則に定められていますが、一般的に言って、英米法に見られるような広範で厳格な証拠法則は、日本の制度には存在しません。証拠能力に関する判断は裁判所の裁量にゆだねられていますが、裁判所は、基本的に、職権で証拠調べをすることはできません。職権で行うことができる当事者尋問はその例外です。

(6)判決

審理が熟し、裁判所により判断がなされます。この裁判所による判断のことを判決といいます。

(7)上訴期間の経過による判決の確定or上訴

第一審裁判所の判決に不服のある当事者は、判決送達日から2週間以内に上級裁判所に対して控訴をすることができ、第二審(控訴審)裁判所の判決に不服のある当事者は、上告をすることができます。

つまり、第一審の地方裁判所の判決に対しては、管轄を有する高等裁判所に対して控訴することができ、第二審の高等裁判所の判決に対しては、最高裁判所に上告することができます。

上訴された場合、裁判は控訴審に引き継がれ、継続します。

上訴されずに控訴期間(2週間)を経過した場合、裁判は終了します。

2 裁判の期間

令和3年度の司法統計によると、令和2年度の平均審理期間は9.9か月、対席判決で終結した事件となると13.9か月かかっています。

もっとも、司法統計における裁判の期間は、簡明なものから複雑なものを全て足し、事件数で割った平均です。個々の裁判の期間は、交通事故等(事案が簡明なものに限ります)のように6か月で終結する場合もあれば、建築訴訟・知的財産訴訟・医療訴訟・国家賠償請求訴訟等のように事案が複雑化している場合は、2年半ぐらいで終結するものもあります(上訴したらさらにかかります)。このように個々の事件内容によって裁判の期間は変わるため、裁判期間について「平均して○〇か月かかる」と一般化して答えにくいのが実情です。

3 最後に

裁判は、上記のように様々な手続きを経て行われます。そのため、分からないことが多く出てくると思いますので、一度、弁護士にご相談されてください。

北九州小倉のひびき法律事務所では、ベテランから若手まで様々な弁護士が在席しており、様々な悩みに対応できます。気軽にご相談ください。

 

(法務省より引用)