ビジネス実務法務入門連載、今回のテーマは期間の計算についてです。

ビジネスにおいて期間計算を要することは多々あります。

たとえば、契約書において、代金の支払時期を「商品の引渡しの日から7日以内」などと定めている場合などです。

この期間計算の方法について、民法は一定のルールを定めています。以下、逐条的に見ていきます。

期間の計算の通則

民法第138条
期間の計算方法は、法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除き、この章の規定に従う。

この規定は、法律などで特別なルールが無い限り、期間計算は以下で述べる民法の規定に従うことを明らかにしたものです。

期間の起算の起算点

民法は、期間計算の起算点につき以下のように定めています。

時間によって期間を定めた場合

民法第139条
第139条 時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。

この規定は、「24時間」などと時間によって期間を定めた場合における起算点を定めたものです。

たとえば、「メール受信後24時間以内にお支払いをお願いします。」といった請求がある場合、この請求は、メールを受信した時刻から24時間以内の代金支払いを求めているものと理解されます。

日、週、月又は年によって期間を定めた場合(初日不算入)

民法第140条
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

この規定は、日、週、月又は年によって期間を定めた場合における「初日不算入」を定めた規定です。

たとえば、「請求があった日から3日」という場合、3日の起算日は、原則として「請求があった日の次の日」になります。

たとえば、令和2年6月18日に請求があった場合、19日が起算日となり、19日、20日、21日と期間を計算します。

21日が満了日です(ただし後述の142条に注意)。

冒頭述べた「商品の引渡しの日から7日以内」という場合の起算日・期間計算の方法もこの考え方に従います。

もっとも、期間の開始が午前零時ちょうどである場合、例外的にその日を参入します。

上記の請求の例の場合、6月18日0時00分ちょうどのタイミングまでに請求が有ったとすれば、6月18日を起算日として期間計算を行います(本文及び但書き)

冒頭述べた

期間計算の満了

次に期間計算の満了について見ていきます。

末日の終了をもって満了

民法第141条
前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。

民法141条は日、週、月又は年によって期間を定めたときの満了時点は、満了日の24時となることを定めた規定です。

たとえば、6月21日が満了日となる場合、期間計算の満了時点は同21日に深夜24時ということになります。

満了日が休日の場合

民法第142条
期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。

この規定は、「満了日」が休日に当たる場合の規定です。上記140条等の規定に基づいて算定した満了日が休日に当たる場合、その日に取引をしない慣習があれば、満了日は翌日にずれ込みます。

たとえば、21日が日曜日で、この日に取引をしない慣習がある場合、満了日は22日となります。

暦による期間の計算

民法第143条
1 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

週、月又は年によって期間を定めた場合、期間の計算方法は暦に従って計算します。そして、期間計算が、週、月又は年の途中から行われる場合、満了日は、起算日に応当する日の前日に満了することとなります。

たとえば、令和2年5月30日を起算日として1か月を計算する場合、期間は暦にしたがって計算されますので、6月30日(暦法上の応当日)の前日である6月29日が満了日となります。

ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了します。

たとえば、5月31日を起算日として1か月と定めた場合、応当日となる6月31日が存在しないので、その月の末日たる6月30日が満了日となります。