弁護士に相談のおおい相続にかかわる問題の一つに、他の法定相続人と疎遠だ、かかわりあいたくない、というケースがあります。
たとえば、夫の前妻との間に子がいたところ、他界時の配偶者は、その子供たちと、まったく交流がなかった、夫が他界した時、遺言もなく、預貯金を全額引き出すにも、その子供たちとの協議が必要だ、といったケースです。
こうしたケースでは、これまで夫が他界した時の配偶者と夫の前妻との間の子には、何らの関わりもなかったのだから、できれば関わりあいたくない、と思われることも自然な感情の一つだろうと思います。
遺産分割協議の内容
遺産分割は、被相続人が残した財産を分割する仕組みです。
遺産として典型的なものは、たとえば預貯金、不動産、車、株式などがあります。こうした財産をどのように分け合うか、を法定相続人全員の協議で定めていくのが遺産分割協議となります。
また、通常、遺産を分割していくに際しては、各種関係機関(銀行や役所、勤務先)が定める所定の書式に法定相続人らが署名捺印すること求められます。
弁護士は当事者の代理人となれる
遺産を分割するには、当事者間で協議し、また必要書類の作成・関係機関への提出が求められます。
当事者間での協議
当事者間での協議についていえば、弁護士は、法定相続人の一人の代理人となれます。
この場合、弁護士は、ご依頼者に代わって、他の法定相続人と話し合い、協議をすることが可能です。
弁護士がすべての協議を行いますので、ご依頼者が望まない状況であれば、ご依頼者がほかの法定相続人らと会う必要はありません。
本人に代わって、弁護士が先方と書面・電話・面会による話し合いを行い、遺産分割協議を実現させることとなります。
書面の作成
署名・捺印が必要な書面についても、弁護士が依頼を受けた場合、大部分、本人に代わって弁護士が署名・捺印することで、作成することが可能です。
中には、本人の自署性が求められる書類もありますが、その場合でも、弁護士が内容を確認して、署名・捺印をしてよい書類か否かを判断しアドバイスをすることができます。
そして、この書類作成の場面においても、ご依頼者本人がほかの法定相続人の面前でサインしなければならない書類はありません。
したがって、書類作成の場面においても、他の相続人と接触する必要はありません。
他の法定相続人の住民票や戸籍の調査も可能
また、これまで全く関わり合いのなかった第三者につき、住所を確認するのは通常は至難の業です。何らの手がかりがないことも少なくありません。
冒頭の例で、夫の配偶者が、何ら手掛かりなく、前妻の子の住所を知るのは至難の業です。
しかし、弁護士にご依頼いただいた場合、弁護士は、職権において、戸籍・戸籍の附票・住民票の取得が可能です。
多くの場合、住民票の取得によって、他の法定相続人にアクセスすることは可能となりますし、仮に全くの所在不明という場合でも、一定の手続のもとで、遺産分割協議をすすめることができます。
他の相続人と会わずに遺産分割を実現
他の相続人と会いたくない、かかわりあいたくない、というご相談は、相続にかかわるご相談のなかでも、本当によくある相談の一つです。
こうしがご不安は、弁護士にご依頼いただくことで、払しょくすることが可能です。
相続人に関し、同様のお悩みを持たれている場合には、ぜひ一度、弊所へご相談ください。