被相続人の預金口座を調べる方法・調査の対象と手がかり

被相続人の預貯金の調査方法

今回は、被相続人の預貯金の調査の方法についてです。

預貯金はもっとも典型的な遺産

被相続人が他界した場合に、もっとも典型的な遺産となるものの一つが、被相続人名義の預貯金です。

遺産分割協議を行うに際しても、相続放棄を行うに際しても、預貯金の調査は欠かせません。

全銀行につき、預貯金が把握できる制度があればよいのですが、そういった制度はありません。したがって、預貯金調査を行う場合、地道に探してくことになります。

 

預貯金調査の対象となるのは

預貯金調査の対象となるのは、各種金融機関です。主として次の3つに分類して考えると便宜です

  1. メガバンク
  2. ゆうちょ銀行
  3. 地銀・信用金庫
  4. ネットバンク

メガバンク

メガバンクは、全店照会によって、全店舗の銀行口座につき、口座の有無を確認することができます。

大都市圏で生活していたことがある方や、転勤が多い方はメガバンクにも口座がある可能性が高いので、重要な調査対象となります。メガバンクの支店で照会をかけます。

ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行も、重要な調査対象です。

窓口に貯金など照会書などを提出することで調査を行うことが可能です。

地銀・信用金庫

北九州地域では、地銀としては、西日本シティ銀行・福岡銀行・北九州銀行が主要な銀行となります。

いずれの銀行も、相続人の一人が預貯金調査をしようとした場合、応じてくれています。

信用金庫としてはひびき信用金庫のシェアが大きいので、北九州では重要な調査対象となります。

ひびき信用金庫も預貯金調査に応じてくれます。

ネットバンク

最近、口座保有が多くなってきているのがネットバンクです。

北九州地域でも楽天銀行・住信SBI銀行、イオン銀行・ペイペイ銀行のシェアが多くなっています。

預貯金調査のための必要書類

預貯金調査を行うためには、一般的には次のような書類が必要となります。

  • 相続届など、銀行所定の書式による書類
  • 被相続人が死亡したことがわかる戸籍
  • 調査する者・照会をかけるものが相続人であることがわかる戸籍および身分証・印鑑証明書など

被相続人の通帳がなくても調査に応じてくれますが、通帳があると手続きが比較的スムーズです。

 

銀行口座を見つける手がかり

北九州の場合、上記に挙げたような金融機関に何らかの口座が存在していることが多いですがすべての金融機関に照会をかけるわけにはいきませんので、さらに精度を高めようとすると、自宅や携行品から手がかりをえることが重要になります。

被相続人の自宅の書類や携行品

預貯金口座を見つける手がかりの一つは、被相続人の自宅の書類や携行品にあります。

被相続人自身の財布の中のキャッシュカードや書類棚などにある銀行からの手紙などがヒントになります。

また、ネットバンクについては、被相続人のスマートフォンやパソコンのなかにデータがあることが多いです。

たとえば、スマートホンの検索履歴などを確認することで、ネットバンクの利用を推知できることがあります。

 

銀行の取引履歴

また、銀行に対する調査で取引履歴が取得できた場合、そこからさらにほかの金融機関への振り込みや、ほかの金融機関からの入金がないかをしらべることで、口座が発見できることがあります。

使っている銀行が一つでもみつかったら、取引履歴も同時に開示してもらうと便宜です。

 

登記不動産がある場合

登記不動産がある場合、かりに住宅ローンが組まれていたというケースでは、登記事項証明書から、被相続人が住宅ローンを組んでいた銀行がわかります。

すでにローンを完済していたとしても、過去に利用していた銀行がわかりますので、預金調査のヒントとなります。

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